編集後記集
【メルマガIDN 第125号 070615】

■「出前授業」を体験した
 最近作成した「IDN人材マップ2007」でもわかるように、IDNの会員には多彩な人がそろっており、培った経験(キャリア)を大学生、高校生、小中学生に伝承することで本人の自己実現になり、社会貢献の一助になるのではと考えている。

 NPOコアネットで実施されているプログラムにも興味を持ち、06年5月にIDNの何人かが芦花高校での実施状況を視察し、10月には、羽澄さんと私が、大東文化大学での講師を引き受け、生徒さんに話をした。

 昨年11月に、コアネットの学校支援活動報告会(横浜市で実施)に羽澄さんと私が出席し、出前授業・体験プログラム・ものづくり教室の3つのタイプの活動状況をつぶさに聞いて、事務局長の梶氏とIDNとのコラボレーションについても話し合った。
 本年の5月2日に梶事務局長と会って、NPOコアネットのプログラムに参加することにより、実情をよく理解しようと、羽澄さんと私が横須賀大津高校で出前授業を体験することにした。

6月12日の共通テーマは、
「職業分野別講話(キャリアガイダンス):それぞれの仕事はどのような仕事なのか、なぜこの仕事を志したか、それぞれの仕事にとって重要なポイント、資格、適性、面白さ、大変さ……などを紹介する」
というものであり、下記の8つの分野が予定されていた。
①会社員(事務・管理部門系の仕事)
②会社員(営業系の仕事)
③会社員(技術・研究系の仕事)
④IT関連業の仕事
⑤福祉系の仕事
⑥医療系(理学療法士の仕事)
⑦外国語系(総合商社の仕事)
⑧マスコミ・ジャーナリスト・出版系の仕事

 上記の8つの分野の中で、ゲスト講師が決定されていなかった分野より、羽澄さんが「外交語系 (総合商社の仕事)」を選び、私が「IT関連業の仕事」の分野を引き受けることにした。
 以前に芦花高校での実施状況を視察したことが大いに役立つことになった。生徒を退屈させないために、45分間に話す内容を想定してパワーポイントで資料を作成した。

 当日、総武快速を品川で京浜急行の快特に乗り換え目的地の新大津へ向かった。千葉の住民にとって横須賀方面は未知の世界に近い。しかし、路線図を見たら、昔良く通ったYRP(横須賀リサーチパーク)やNTTの研究所より近いことがわかって安心した。
 12時45分に新大津に集合して徒歩で学校へ。しばらく控え室で待っている間に、この高校は昨年100周年を迎えた伝統のある、昔は名門女子高だったことを知る。
 
 教室へ案内されて、運んできたPCとプロジェクターのセッティングを終えると、余裕の時間もなく授業開始のチャイムが鳴る。担任の先生が出欠を取り、授業の開始。高校3年生の生徒たちは、昨年行った大東文化大学の生徒とそんなに差を感じない。大東文化大学では大教室だったが、今回は普通の教室に、「IT関連業の仕事」を選択した生徒20人あまりが後ろの方に着席している。近くで生徒の顔を見るために教室の中を歩きながら話をする。時々後ろを向いて私語をするもの、机に顔を伏せているが眠ってはいないみたいな生徒が夫々一人いたが、話を聞いてくれた。
 ICTの助けをかりた住生活の10のシーンを紹介し、そのために必要な技術とそのための仕事について説明をした。興味を持ってくれたらしく、アンケートの中にシーンについての感想が書かれていた。

 45分間はあっという間に過ぎてしまう。最後の5分間をアンケートの時間に残すように言われていたが、2分ほどしか残っていなかった。10分間の休憩の後、ほぼ同じ人数の生徒が入れ替わり、午後の2時限目が始まる。前の次限の経験を生かして時間配分を考えて話をする。聞いている生徒の様子はほとんど変わらない。

 実際に体験してみて感じることは、準備のことを考えると幾分気が重いく、2時限をこなすと疲れもあるが、話す内容は自分の経験であり、教壇に立つと多少の緊張感も、終わってみれば気分もすっきり、爽快感もある。皆さんも一歩踏み出して、ぜひ体験して見られたらいかがでしょうか。お勧めします。

 NPOコアネットのプログラムでの謝礼は、交通費実費などの必要経費と1回につき1500円の謝礼を支給してくれる。基本的にはボランティア活動であるが、NPOコアネットでは別の事業で収入を得て、「交通費とお昼代とコーヒー代」程度を支払っている。NPOの活動のありようとして、一つの典型として位置づけることが出来よう。

 羽澄さんをリーダーとして、将来、IDNの事業として育てることを狙いたいが、当面はNPOコアネットのプログラムに参加することから開始し、経験を積み重ねてゆきたいと考えている。

 ふれあい充電講演会のところでも案内しているように、6月18日(月)18時より、京華スクエアでNPOコアネットの事務局長の梶氏の講演会を予定している。当日は、本プログラムの推進責任者である宮崎氏も講師として来てくれることになった。講演の最後に、羽澄さんと私の体験談もお話する予定である。講演会にもご参加ください。【生部】
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