編集後記集
【メルマガIDN 第171号 090501】

■編集後記 《シニアネット・フォーラム21 in 東京 2009》を終えて
08年度の《シニアネット・フォーラム21》の開催
 08年度の《シニアネット・フォーラム21》としては、08年の11月に大阪市で、『シニアネットで、実り豊かなシニアライフと活力ある高齢社会を』と題して《シニアネット・フォーラム21in関西》を開催した。
 第2回目は、『シニアが変わる、地域が変わる、シニアネットで更なる飛躍!-シニアパワーで新しい文化を-』と題して、《シニアネット・フォーラム21in東京 2009》を東京の神宮外苑にある日本青年館で)年2月に開催した。

 ほぼ一年前から動き出して、2回のフォーラムを開催し、結果をまとめた報告書の作成もほぼ完成が近づき、すべての作業を終える段階にきた。

フォーラムの開催風景(主会場:国際ホール)


 
基調講演の島田晴雄氏         特別講演の吉田敦也氏



パネルディスカッションの開催風景
手前は総合司会の佐藤昌子さん



ワークショップ(テーマ2)の開催風景



フォーラムの開催風景
ワークショップの報告のサポート

【写真提供は西野憲明さん】


《シニアネット・フォーラム21》とは
 我が国の高齢化が一段と進みつつある時に、ITを生かして充実したシニアライフを送りたい、少しでも社会のために役に立ちたいとする高齢者同士が集う《シニアネット》と称する100ほどの団体が全国各地に存在している。
 《シニアネット》は、高齢者へのIT講習会の開催や、長年培ってきた知見・ノウハウ等とITを駆使して、仲間と共に楽しく、生き生きと、地域に根差したさまざまな活動を展開している。このような活動は、シニアライフを豊かで楽しいものにし、高齢者に地域デビューの機会をもたらすなど、シニアの生きがいの創出に大きな役割を果たしている。
 これからの《シニアネット》はどうあるべきか、シニアの生き様はどうあるべきか、を皆で考え議論するために、年に2回全国のシニアネットの有志が集まる会が毎年開催されている。

IDNの《シニアネット・フォーラム21》へのかかわり
 IDNでは、社会貢献の一環として、(財)ニューメディア開発協会の要請に応えて、04年度と06年度にシニアネット・フォーラム21の企画や運営に携わっており、08年度で3回目を数える。
・2004年度:2月に東京で開催されたフォーラムの当日の運営
・2006年度:北陸と東京で開催されたフォーラムの企画・運営全般 
・2009年度:関西と東京で開催されたフォーラム
        全般の企画・運営全般と当日の運営

 09年2月の東京での開催における当日の運営においては、約30名のIDNの会員のかたの協力を得て成功裏に終了することが出来た。受付やクローク、フォーラム会場の運営、ワークショップの事前準備と当日の運営、総合司会、写真撮影、開催案内や開催速報のホームページの作成などに協力いただいた方々にお礼を申し上げたい。

09年2月に東京での開催
 東京でのフォーラムでは、シニアの生き方、シニアネットのあるべき姿を議論し、シニアネットの更に飛躍と普及拡大を図るために、基調講演Ⅰ、同Ⅱ、特別講演、パネルディスカッション、ワークショップ、シニアネット交流広場の五本柱でフォーラムを構成した。ワークショップでは、5つのテーマを定めて5つの分科会を設置した。

 基調講演の島田先生(千葉商科大学学長)には、08年の7月の初め頃に講演をお願いした。当時は今日のこのような経済状況を予測することはできなかった。
 わが国のトップに位置しておられるエコノミストの立場より、激動の経済情勢について、直接貴重なお話を伺うことができた。
 アメリカ発金の融危機と世界同時不況はなぜ発生したか、実体経済の収縮と世界不況の進化の状況、今後の展望の中でわれわれは何をすればよいのか、について基本的な理解を得ることが出来た。

 トレンドマイクロの黒木氏の講演は、ITやPC利用における昨今のセキュリティ問題について、より具体的に踏み込んだ内容で、ひところとは異なった点に注意を要することを知ることができ、自分が被害を受けないようにするだけでなく、他人様へ迷惑をかけないことにも注意すべきことを理解することができた。

東京での開催において新機軸
 08年11月の関西でのフォーラムの開催においては、従来の趣旨とプログラム構成を踏襲したが、東京での開催においては、特別なメニューを企画した。今回のフォーラムを、10年を経た《シニアネット》が新たな飛躍を遂げるための節目に位置づけようというものである。

 徳島大学の吉田先生に無理を言って、特別講演とパネルディスカッションのコーディネーターをお願いした。吉田先生は、3年前の《シニアネット・フォーラム21 in 四国》でもご講演いただいており、シニアネットの現状を分析し、今後のあり方についても提案されている。

 また、平成19年度には、報告書『平成19年度構築研究会 シニアネットの構築と活性化のためのガイド』をまとめておられる。その中で、10年を経たシニアネットを総括し、新たな展開についても言及され、シニアネットをもっと機能させる仕組みづくりとして『全国的なシニアネットセンター』を立ち上げることを提言されている。今回の講演においてもその一端が披露された。

 それぞれの《シニアネット》では努力を続けることにより、参加されるメンバーの満足と《シニアネット》としての成果を挙げて行くであろう。それぞれにおいては、一層の努力を重ねることにより、更なる発展を目指してもらいたいと思うが、吉田先生が今回提言されている新たな展開ができれば、シニアネットの新しい道が見えてくるかも知れない。

個人の『生きがい』を重要視しよう
 2009年のはじめに東京で開催のフォーラムの案内を開始してから、参加申し込みの状況を注意深く見てきた。ワークショップでは、テーマ1(生きがい)、テーマ2(コミュニティ・ビジネス)、テーマ3(IT普及)、テーマ4(行政とのコラボレーション)、テーマ5(シニアネットの運営)の5個のテーマで構成されているが、テーマ1(生きがい)への参加希望申し込みが多い状態で推移した。

 私自身も常に、各個人の期待にこたえることが重要であると思いながら、いろんな局面での判断するように心がけているが、今回の参加者も、自分の生きがいや自己実現に大きな興味を持っていることを強く感じた。

 今回のフォーラムを通して、私は一人のシニアとして、また、《シニアネット》でもあるNPOの責任者として、感銘をうけ、教授を受けることがたくさんあった。新しい事業や活動を企画する時の評価軸として、《個人の生きがい》を重要視することを忘れてはならないと、改めて思った。

エピローグ
 このフォーラムがきっかけとなって、既にシニアネットに加わって活動されている方々は勿論、「シニアネットに参加したい…」「何か地域のために活動してみたい…」等々お考えの高齢者や団塊世代の方、そして「高齢者と協働して施策や事業に取り組みたいが…」とお考えの自治体や企業の方など、幅広い分野の方々の今後の発展につなげて頂くことを期待したい。

 今回のフォーラム全般の見事な運営に対して、また、5つのフォーラムにおける、事前の準備、当日の運営(コーディネーター、アシスタント、サポーターの連携による運営)に対して、参加者からも賞賛の声を聞いた。IDNのポテンシャルの高さを証明し、底力を十分に発揮していただいた。 協力していただいた方へ改めてお礼を申しあげるとともに、6月8日に予定されている打ち上げ会でお会いできるのを楽しみにしている。【生部圭助】

関西と東京におけるフォーラムの速報については下記よりご覧になれます。
関西:http://www.osaka-senior.net/snf/news/
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