■龍のコンサート三昧2010 【その1】3回目のヨーロッパへのコンサート旅行
U社の企画に食指が動いた
2006年にはは自分で企画して、ウィーンフィルとベルリンフィルなど4回のコンサートを経験した。2008年にはU社のツアーで、再びウィーンフィルとベルリンフィルのコンサートに加え、プラハの春にも参加し、ドレスデンでオペラを鑑賞した。
2008年のツアーから戻ったとき、コンサートツアーはこれが最後かと思っていた。しかし、2008年には、ベルリンのコンサートホール《フィルハーモニー》が火事に見舞われるというアクシデントがあった。演奏会場がヴァルトビューネ(野外音楽場)に変更になったことにより、旅の大きな目的のひとつが実現しなかったことが心残りだった。
その後、U社からはたびたび音楽ツアーの案内が送られてきた。そして、今回の案内をもらったときに食指が動いた。ずっと以前から願っていた、ベルリンの《フィルハーモニー》でヤンソンス指揮のヴェルディの《レクイエム》が予定されており、アムステルダムのロイヤル・コンセルトコンセルトへボーがコースに入っているのが最大の魅力だった。また、伝統あるライプチヒのゲバントハウスのコンサートもメニューに入っていた。ライプチヒについては、ベルリンの壁の崩壊の起爆となった場所であり、行ってみたい気持ちも強かった。
2010年3月9日に成田を出発し、寒波に襲われて、気温がマイナス3度のミュンヘンからヨーロッパツアーを開始し、ライプチヒ、ベルリン、アムステルダムを訪問し、全6回のコンサートを楽しんだ。下表に今回のコンサートの概要を示す
日程 ホール 曲目 演奏者 そのほか
博物館・美術館など3月10日 ミュンヘン
ガスタイク
(大ホール)ミュンヘンフィル コンサート
・ベートーベン
プロメテウスの創造物
・モーツアルト
ピアノ協奏曲第23番 K488
・ベートーベン
交響曲第3番 英雄P:M.ポリーニ
C揮:C.ティーレマン・レジデンツ博物館
・アルテ・ピナコテーク
(14~18世紀の古典絵画)
・ノイエ・ピナコテーク
(19世紀以降の芸術作品)3月12日 ライプツィヒ
ゲバントハウス
(大ホール)ゲバントハウス コンサート
・ハイドン
交響曲第94番 驚愕
・エルガー
チェロ協奏曲
・カレル・ライネッケ
歌劇「マンフレッド王」序曲
・メンデルスゾーン
交響曲第1番C:G.コルステン
VC:エリザベス・ヘッカー
C:G.コルステン・メンデルスゾーン記念館
・シューマン記念館
・聖トーマス教会
・聖ニコライ教会
(10/9デモの起点)
・歴史博物館
(旧市庁舎)3月13日 ベルリン
フィルハーモニー
(大ホール)ベルリン・フィルコンサート
・ヴェルディ
レクイエムC:M.ヤンソンス
S:K.ストヤノバ
MS:M.プルデンスカヤ
T:D.ロメリ
B:S.ミリング
バイエルン放送合唱団・ベルリンの壁博物館
・イーストサイド・ギャラリー
(壁のアート)3月14日 ベルリン
フィルハーモニー
(大ホール)ベルリン国立歌劇場コンサート
・シューベルト
水の上の精霊の歌
・ベートーベン
ピアノ協奏曲第3番
・ベルナルド・ランズ
apokryphas(ヨーロッパ初演)
C:D.バレンボイム
P:ラン・ラン
S:A.デノケ・ブランデンブルグ門
(レリーフの写真撮影)3月16日 アムステルダム
ロイヤル・
コンセルトヘボウ
(大ホール)オランダ・バッハ・オーケストラ
&合唱団コンサート
・バッハ
マタイ受難曲C:P.ヤン・レウシンク
S:H.メペリンク
T:M.レウシンク
他・国立博物館
(レンブラント・フェルメール)
・レンブラントの家
・運河めぐり3月17日 アムステルダム
ロイヤル・
コンセルトヘボウ
(大ホール)ロイヤル・コンセルトヘボウ
コンサート
・ブラームス
ヴァイオリン協奏曲
・ショスタコーヴィッチ
交響曲第15番イ長調C:B.ハイティンク
V:F.P.ツィマーマンデン・ハーグ
・マウリッツハイス美術館
(レンブラント・フェルメール)
アムステルダム
・国立ゴッホ美術館
(常設・ゴーギャン展)(注)ホールはすべて大ホール
編集後記集には、すべての曲目と
すべての演奏者を記していますC:指揮 P:ピアノ
V:バイオリン VC:チェロ
S:ソプラノ T:テノール
海外でのコンサート
海外で最初にコンサートに行ったのは、1973年6月のこと。ロンドンのロイヤル・フェスティバルホールで、ロイヤルフィルハーモニー管弦楽団の演奏を聴いた。以来1998年(会社時代の最後のコンサート)までの25年間に欧米に仕事や調査に8回出かけ、、《昼は仕事、夜はコンサート》で18回のコンサートを経験した。
ヴェルディのレクイエムの演奏を終えて聴衆の歓声に応える奏者たち
ベルリン フィルハーモニー
【写真をクリックすると拡大します】
ゴッホ美術館の新館(ゴーギャン展の会場)の向こうにコンセルトヘボウを見る
リタイヤーした後、頼まれた仕事でストックホルムへ行ったときに、王立オペラ劇場で《トスカ》を見た事により、もう1回が追加された。コンサートを目的にでかけたのは2006年からである。2006年に4回、2008年に5回、そして今回の6回を加え、海外でのコンサートを合計34回経験したことになる。
海外のコンサートホールにも興味を持っている
コンサートもさることながら、コンサートホールやオペラハウスを訪れることにも興味を持っている。今回の旅の途中で過去を振り返ってみたら、ヨーロッパで18箇所(教会と野外を含む)、アメリカで9箇所(同左)、合計27箇所に及んでいることがわかった。
会社時代には、『世界のコンサートホール』という本が身近にあったし、海外出張の時には、音響グループのHさんに出張先の都市のリストを渡し、その都市の聴くに値するホールの案内(名称・ホールのデータ・評判)などをもらって出かけた。アムステルダムのコンセルトコンセルトへボーは、私にとって魅力的なホールとしてノミネートしていて、訪れる機会のなかった最後のホールだった。
美術館にも魅力がいっぱい
今回のコースには、魅力的な美術館も多かった。ミュンヘンの《アルテ・ピナコテーク》と《ノイエ・ピナコテーク》へはみぞれ交じりの雪の中を出かけた。
アムステルダムの《国立ミュージアム》にはレンブラントのほか、フェルメールの4作品すべてが里帰りをしていた。アムステルダムからデン・ハーグのマウリッツハイス美術館へ足を伸ばし、フェルメールの《真珠の耳飾り》などのほか、レンブラントの作品をたくさん見た。
今回、美術館関係で予想外の僥倖は、アムステルダムの国立ゴッホ美術館の新館で《ゴーギャン展(期間:2/6-6/6)》を見ることが出来たことである。立派な図集も作られており、思わず高い買い物をしてしまった。
今回も《龍と仲間たち》に出会った
ヨーロッパに行ったときに、《龍と仲間たち》に出会うことも楽しみにしている。今回は、ミュンヘンからバスツアーを予約していた《ノイシュヴァンシュタイン城》へ行けなくなって、ルートヴィッヒの二つの龍の絵を見ることが出来なかったが、いくつかの出会いがあった。これらについては、私のホームページ《2010年に出会った龍と仲間たち》に掲載することとする。
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