《シニアネット・フォーラム21 in 東京 2011》を終えて
【メルマガIDN編集後記 第214号 110315】

 財団法人ニューメディア開発協会では、シニアネットの全国的な普及拡大とその活性化を図るため平成23年(2011)2月17日~18日に日本青年館において《シニアネットフォーラム21 in 東京 2011~シニアネット・さらなる飛躍を目指して~》を開催した。
 本フォーラムの開催に向けて昨年9月より企画のための活動を本格的に開始して準備を進めた。当日の運営に対しては37名のIDNのスタッフのかたの協力を得て、成功裏に終了することが出来た。
 総合司会、受付やクローク、フォーラム会場の運営、ワークショップの事前準備と当日の運営、写真撮影、開催案内や開催速報のホームページの作成などに協力いただいた方々に厚くお礼を申し上げたい。

《シニアネット・フォーラム21》とは
 我が国の高齢化が一段と進みつつある時に、ICTを生かして充実したシニアライフを送りたい、少しでも社会のために役に立ちたいとする高齢者同士が集う《シニアネット》と称する100を超す団体が全国各地に存在している。
 《シニアネット》は、高齢者へのICT講習会の開催や、長年培ってきた知見・ノウハウ等とICTを駆使して、仲間と共に楽しく、生き生きと、地域に根差したさまざまな活動を展開している。このような活動は、シニアライフを豊かで楽しいものにし、高齢者に地域デビューの機会をもたらすなど、シニアの生きがいの創出に大きな役割を果たしている。
 これからの《シニアネット》はどうあるべきか、シニアの生き様はどうあるべきか、を皆で考え議論するために、例年《シニアネットフォーラム21》が開催されている。


フォーラムの開催風景(主会場:国際ホール)


基調講演の秋山 弘子氏


基調講演の加治佐 俊一氏


特別講演の吉田 敦也氏


特別セミナーの風間 彩氏


パネルディスカッションの開催風景


ワークショップ(テーマ2)の開催風景


シニアネット交流広場開催風景

IDNの《シニアネット・フォーラム21》へのかかわり
 IDNでは、(財)ニューメディア開発協会の要請に応えて、04年度からシニアネット・フォーラム21の企画・運営や当日の運営に携わっており、今年で4回目を数える。
 ・2004年度:2月に東京で開催、当日の運営
 ・2006年度:北陸と東京で開催、企画・運営全般
 ・2008年度:関西と東京で開催、企画・運営全般と当日の運営
 ・2010年度:2月に東京で開催、企画・運営全般と当日の運営

2011年(2010年度)2月に東京での開催
 今年のフォーラムでは、シニアの生き方、シニアネットのあるべき姿を議論し、シニアネットの更に飛躍と普及拡大を図るために、基調講演1、同2、特別講演、パネルディスカッション、ワークショップ、特別セミナー、シニアネット交流広場の六本柱でフォーラムを構成した。ワークショップでは、5つのテーマを定めて5つの分科会を設置した。

 ・基調講演1:シニアの更なる飛躍を期待する
  秋山 弘子氏(東京大学 特任教授)
 ・基調講演2:テクノロジーの進化と新たな展開
    加治佐 俊一氏(マイクロソフトディベロップメント)
 ・特別講演:シニアネットの2010年代の飛躍に向けて
  吉田 敦也氏(徳島大学 大学院教授)
  大熊 勇雄氏(NPO SOHO横浜・神奈川)
 ・パネルディスカッション:シニアのパワーアップと
  シニアネットの更なる飛躍! 5名のパネリスト
 ・ワークショップ(WS):5テーマ
  5名の課題提供者と5名のコメンテーター
 ・特別セミナー:進化するICTを安全に使っていただくために
    風間 彩氏(シマンテック)
 ・ワークショップ(WS)のまとめの発表:
  各WSのコーディネーター(NPO自立化支援ネットワーク)
 ・クロージングセッション:
  生部 圭助(NPO自立化支援ネットワーク)

4つのコメント
 私はクロージングセッションを担当した。最初に、基調講演・特別講演・特別セミナー・パネルディスカッション、ワークショップなどで出演してもらった方々のおかげで今回予定した行事が、滞りなく終わったことにお礼を申しあげた。
 そして、個人的にはひとりのシニアであり、NPO自立化支援ネットワークの理事長という団体の責任者という立場で、2日間参加させてもらって感じたことを4つ申したのでここに紹介する。 
(1)自立期間(健康寿命)の延長
 高齢になって、知的、身体的に自立期間を延長したいとの希望は皆にある。今回、秋山先生の話の中に自立期間の延長というお話があった。これは昨年秋に、東北で開催されたフォーラムで、辻一郎先生が講演されて、かなり似たような発言があった。シニアネットに参加して頑張っていると、自立期間を延長することに役立つということが、まず私が感じた第1点。

(2)ICTの技術の進歩や新しいサービスの活用
 マイクロソフトの加治佐 俊一氏、吉田先生、シマンテックの風間さんのお話等々で、ICTの技術が進歩し、サービスが多様化され、我々の環境が急速に変わっているということを実感した。
 その進化を享受して、自分の生活に生かしていくことはできることであるが、この技術の進歩およびサービスという道具をアクティブに使って社会に貢献していこうという気持ちに切り替えるべきではないか。そのためには、新しい技術やサービスへの対応力の向上が必要であるというのが、今回感じました2番目である。

(3)シニアは新しい公共の担い手
 社会に地域に貢献をするという意識から、新しい公共というキーワードの担い手としてシニアネットが役立っていくべきではないかということを感じた。今までパッシブだったものをもっとアクティブに、地域社会を作るというもっと積極的な立場が求められている。

(4)サイバーシニアネットセンターとしての
         《シニアネット交流広場》の活用

 今回も、パネルディスカッションやワークショップで、この10年間、それぞれのシニアネットでは頑張ってそれぞれに成果を積み上げてきたことがたくさん紹介された。さらに、これからの10年の発展を考える時に、シニアネット間のネットワーク化が大きな要素となると思う。

 昨年来《シニアネットステージ2》委員会では、これからのシニアネットのあり方の検討を重ねた。この成果の一つとして、シニアネット間に位置付ける《シニアネット交流広場》というポータルサイトを作った。

 《シニアネット交流広場》には、情報発信をサポートする、情報を共有する、シニアやシニアネットの運営支援(シニアネットクラウド)をする、情報アーカイブする、等の役割を期待している。

 短い期間でこのサイトの中に、情報を入れてもらっているので、それをまず皆さん見て、こんなことができるのか、こんな役割があるのかというのをご理解いただきたい。次にこれを利用するという立場で考えて、お互いに有効に使って、全体として発展していけるようなことにしたいと思う。サイトはこちらです。

エピローグ
 フォーラムは皆様の協力を得て成功裏に終了することが出来た。フォーラムの終了後も、開催速報のホームページをアップできるところまで来て、報告書の作成については現在進行中である。フォーラム関連の仕事がすべて終了するまで、引き続きご協力をよろしくお願いしたい。