アドバイザーの活動の実態を知る
【メルマガIDN編集後記 第281号 140101】

 IDNでは、シニア情報生活アドバイザーを養成し、活動を支援することが重要な使命のひとつである。アドバイザーの実態を知り、アドバイザーの方々への活動支援、およびアドバイザー講座の受講生を増やすための方策を探るための一環として、アドバイザーの皆様に対してWebによるアンケートをすることを計画している。
 IDNでは
2001年よりアドバイザー講座を始めて2013年末に第106期の講座を終え、これまでに349名の方を養成した実績を持っている。最盛期には年間50人を超すアドバイザーを養成した時期もあったが、この数年は約20名で推移してきた。しかし、2012年には18名、2013年には13名と減少している。この減少傾向はIDNだけではないようだが、どの団体においても受講者の数を増やす方策を考えあぐねているのが現状である。
 かつて、日経新聞の夕刊にアドバイザーの記事が掲載されると、多くの方が受講を希望されたことがある。しかし、新聞や放送で取り上げられることをまれである。
 受講者の数を増やす方策の中で、アドバイザーの実態を知り、よく理解をして、世にアッピールすることも重要ではないかという観点から、アドバイザーの皆様にアンケートをすることを計画している。以下に述べることもご理解の上、アドバイザーの更新をされていない方も、10分から15分ほどの時間を頂戴して、
Webによるアンケートへの協力をお願いしたい。


アドバイザー講座受講生募集のチラシ(部分)
最近受講希望者が減少している


プロボノプログラム
テーマ:SNSを活用してアドバイザー講座の受講者を増やす方策
写真:マイクロソフトのプロボノワーカーの方と共に


アドバイザーこそがスマートシニアである
アドバイザーがシニアをスマートにする


改訂したアドバイザーのホームページのTOP
資格認定を取得した後の活動の様子にアクセスを容易にした(右側)


《シニアネットフォーラム21 in 東京2014》が開催される
統一テーマ:スマートシニアをめざして
開催日:2014年3月12日


マーケッティングの手法の応用

 2013年の12月の日経新聞にフィリップ・コトラーの『私の履歴書』が連載されている。コトラーは、企業のみでなく、病院、美術館、劇場、教会などにマーケッティングを適用しており、非営利機関もマーケッティングの対象として、1971年に『非営利機関のマーケッティング』を著している。
 『私の履歴書』の中で、ピーター・ドラッガーとのかかわりについても記されており、ドラッガーの『非営利組織の経営(1991年)』を何年振りかに読んでみた。『非営利組織の経営』の第Ⅱ部にドラッガーとコトラーの対話が紹介されている。

 ここでマーケッティング論は差し控えるが、《マーケッティング》について私なりに以下のように理解した。マーケッティングとは、人々の生活の改善を目指す多くの人が関わる存在であり、ニーズや欲求と、組織の目的、資源、目標とを調和させ、業績向上と顧客の価値・満足を創造する手法である。

 『私の履歴書』と『非営利組織の経営』より、IDNの運営においても多くの示唆をもらった。当面の課題である、アドバイザー講座の受講者の減少していることへの対策を考えるうえで、マーケッティングの考え方とその手法を生かしてみたい。

プロボノプログラムのテーマに
 2013年10月26日に日本マイクロソフト本社で開催された《プロボノ READINESS ワークショップ》に参加した。プロボノプログラムとは、「社会課題の解決をミッションとし、日本マイクロソフトの社員が培った経験やノウハウを生かしてNPO を支援する、社員参加型プロジェクトのこと」。日本マイクロソフトの3名の社員の方がプロボノワーカーとしてIDNを担当してくださった。

 IDNのテーマとして取り上げたのは、前回のプロボノプログラムにおいて第2のテーマとして取り上げていた「プロモーションやマーケッティングに優れていると言われるSNS(ソーシャルメディア)を活用してアドバイザー講座の受講者を増やす方策」だった。
 ワークショップの当日と後日の検討の結果、プロボノワーカーより、具体的な課題と解決のプロセスなどの提言内容を記載したレポートを戴いた。このレポートの中で、SNSを活用して受講者を増やす方策に直結する答えはないが、IDNの運営においてマイクロソフトのOffice365を活用することの提言を受けた。
 今回実施を予定しているアドバイザーの方へのアンケートには、Office365の中のひとつの機能である Share Point Onlineを活用することにして準備を進めている。

アドバイザーの実態の把握~予備的な調査~
 プロボノプログラムのワークショップでの議論を受けて、2008年から2012年までにIDNでアドバイザーの資格認定を取得した方(103名)を対象に下記の分析をし、アドバイザーの実態の一端を把握した。
・アドバイザー講座の受講動機:
   メルマガIDN(第277号)の編集後記に紹介
・アドバイザー講座(制度)を知ったメディア
・IDNの講座を選んだ理由
 今回アンケートをお願いするのは、アドバイザーの活動の実態をさらによく知るためであるとご理解いただきたい。

アドバイザーに関わるホームページの改訂
 IDNのホームページの中で、アドバイザーに関わる部分を改定した。以前のページでは、アドバイザー講座の案内に主眼を置いていたが、新ページでは、アドバイザーの方が資格認定を取得した後の活動の様子、IDNがアドバイザーの方をフォローしている内容等にアクセスしやすいように改めた。
 CS放送(朝日ニュースター)が取材し制作した映像、四谷ひろばパソコン教室の講座の案内、アドバイザーフォーラム(ADF)の報告、パソコン交流会などを右側のゾーンに配置した。

シニアネットフォーラム21 in 東京2014
   ~スマートシニアをめざして~
 2014年3月12日(水)に《シニアネットフォーラム21 in 東京2014》が開催される。テーマは「スマートシニアをめざして」である。

 《スマートシニア》については、メルマガIDN(第277号)の編集後記『超高齢化社会を担うスマートシニア』で書いているのでお読みいただいた方もあると思う。最後に「シニア情報生活アドバイザーこそがスマートシニアである」とキャンペーンを行いたいと考えている、と書いているが、シニアネットフォーラム21の場を効果的に活用させてもらいたい。

 基調講演1には、東北大学特任教授(村田アソシェイツ代表)の村田裕之氏に 「スマートエィジングという生き方を目指して」と題した講演をお願いした。私が以前に参加した講演会で村田裕之氏の講演を聞き、推薦したことが村田裕之氏の登壇につながった。先日お目にかかった時に、アドバイザーについて説明し、講演の中で言及してもらえるようにお願いをした。

 シニアネットフォーラム21では、「シニア情報生活アドバイザーの活動の実態を知る」というワークショップが予定されている。このワークショップにおいて、私がコーディネーター兼報告者を務めることになっている。ここでは、全国のアドバイザーの養成とフォローに関わっておられる方に参加してもらって、アドバイザーに関する問題意識や今後やるべきことについて語る場としたい。
 ワークショップにおいて、今回お願いするアンケートの結果より、アドバイザーの方の活躍の内容を紹介し、アドバイザーの受講者を増やす方策につなげることも話題にしたい。

エピローグ
 アドバイザーの受講者を増やす方策としては、ニューメディア開発協会の担当の方とも相談をし、会社を定年退職される方へのオリエンテーションのメニューに、「シニア情報生活アドバイザー」について説明する機会を得ること、また、3月に開催されるシニアネットフォーラム21では、プレスの人がたくさん来てもらうために、プレスリリースを従来より多く配ることも検討したい。


編集後記集