NPO自立化支援ネットワークで、シニア情報生活アドバイザーの資格を取得した人が360人をこえ、アドバイザーの有資格者が講師やアシスタントを務めて開催した四谷ひろばパソコン教室で、3,400人強のシニアが受講された。これらは、IDNの実績として評価できるものであるが、どちらかと言うと、パソコンに軸足を置いて活動した結果である。
しかし、今日のICTのトレンドを見ると、パソコンの出荷台数は減少、タブレットとスマートホンの利用者が増加しているという現象は、いくつかの調査結果を見ての明らかである。このような状況をみて、今年(2015年)の第15期のIDNの総会の後の《アドバイザーフォーラム2015》の席上で、タブレットとスマートホンなどの新情報端末、さらにSNSなどの新しいサービスへの対応力を高め、IDNとしての活動領域を広げることの必要性を訴えた。 今年はいくつかの試みが実を結び、新宿区より助成金を戴き、サムスン電子ジャパン株式会社やソフトバンクモバイル株式会社の支援を得て、《区民の情報リテラシーの向上に資するタブレットとスマートホンの講座》を実施すことが出来た。今年の最後のメルマガIDNの発行に当たり、これらの概要について紹介する。
新宿区には、NPOの「活動団体登録」の制度がある。この制度の主旨は、「さまざまなNPO法人の活動紹介や事業計画等の情報公開、寄附の状況などを広報、啓発活動に努め、一人でも多くの区民がNPO法人を理解し、参加意欲の向上やその活動への支持がすぐに反映できるように寄附しやすい仕組みづくりを行うこと、また、登録したNPO法人と区とのネットワーク化を図り、区の各分野の協働を推進することを目的とします。」とある。 登録要件は下記の4項目。 (1)特定非営利活動法人(NPO法人)であること (2)主たる事務所が区内にあり、特定非営利活動を行う活動拠点が区内にあること (3)事業費の総額のうちに特定非営利活動に係る事業費の額の占める割合が50%以上あること (4)区民を対象とした特定非営利活動事業を行い、かつ特定非営利事業計画があること 活動団体登録のために、登録申請書兼登録票(NPOのデータ・区民を対象とした活動内容などA4サイズ3枚)と必要書類(定款・役員名簿・登記事項証明書など)たくさんの書類を提出し、審査の結果、平成26年の6月に「登録申請結果通知書」をもらい、登録の手続きを終えた。新宿区のNPO活動資金助成を申請するためにはこの「登録」が必要条件である。 助成金の申請 平成27年度に入り、NPO活動資金助成の申請の為に、下記の手続きを行った。 3月2日:《NPO活動資金助成審査委員による講演会》に出席 3月23日:《平成27年度NPO活動資金助成の募集についての説明会》に参加 この時点で、最新のバージョンのiPadをレンタルして、四谷ひろばのパソコン教室でタブレット講座を行うことが助成の対象になる可能性があるとの感触を得た。 この時期に同時に進めていた、サムスンより支援していただくプロジェクト《スマホサロン@四谷》を新宿区の助成事業の一環に組み入れることに対して、サムスンの了解を得た。 4月9日:《区民の情報リテラシーの向上に資するタブレットとスマートホンの講座》と題して《協働推進基金助成金交付申請》を提出 5月14日:一次審査(書類審査)結果、《二次審査実施団体》に決定したことの連絡を受領 区長が委嘱した新宿区協働支援会議のメンバー(全7名)の審査結果による 5月29日:2次審査(公開プレゼンテーション) 新宿区協働支援会議のメンバーに対して、事業内容を説明 6月4日:《協働推進基金助成金交付申請結果通知書》を受領 その後、ソフトバンクより通信機能付きの新しいタイプのiPad(12台)を2か月間借用できることになり、事業内容と、講座の開催日の変更を行った。ソフトバンクのご厚意により、iPadのレンタル費用を大幅に削減する見通しが立った。 7月9日:《協働推進基金助成金 事業内容変更届》を提出 7月14日:《協働推進基金助成金 事業内容変更届承認書》を受領 開講の事前準備 IDNが助成対象としての決定を得て、5月4日に、講師とアシスタントを担当する人を対象としたスマホ講座の勉強会を実施した。そして、6月と7月初旬に助成事業に先だって、試行も兼ねた実際に即したスマートホンの講座を実施した。 タブレットとスマートホン講座の実施 新宿区の協働推進基金助成金によるタブレット講座を3コース、スマートホン講座を7コース実施することにした。 <タブレット(iPad)講座> ・開催回数:3コース(各コース2時間を3回) ・開催時期: 2015年7月~8月 ・受講者:12名/コース <スマートホン(Galaxy)講座> ・開催回数:7コース(各コース2.5時間を3回) ・開催時期: 2015年7月~12月 ・受講者:12名/コース 受講者の募集 パソコンやタブレットの講座を実施するにあたって、受講生の募集方法が重要な課題のひとつである。今回は、協働推進基金助成基金事業に採用されたことで、7月・11月・翌年の1月に《広報しんじゅく》で講座の開催の案内をしてもらうことになっていた。 今年度は、毎月の講座開催と受講生募集の案内を《広報しんじゅく》に掲載してもらうことが出来ることになって、受講者の集客に関する問題はなくなったが、毎月、定員を超える受講の申し込みがあり、受付の対応にうれしい悲鳴を上げることになった。 エピローグ おかげさまで、予定したタブレットとスマートホンの講座を成功裏に終えることが出来る見通しが立った。そして最近、タブレットの講座を行う2つのプロジェクトが動き出している。これらについては、折を見て、メルマガIDNやfacebookページなどで紹介する。 編集後記集へ |