龍をあしらったお守り
【メルマガIDN編集後記 第349号 161101】

 お守りは、神仏の加護により魔除けや厄災除け、あるいは幸運を招く目的で、肌守り(はだまもり)として、錦袋などに入れて常に身につけるもの。自称龍楽者は神社仏閣で、龍をあしらったお守りが目についたら買い求めることにしている。最近では、龍楽者へのお土産としていただくものも多い。ホームページ《龍の謂れとかたち》にアップしているお守りより、そのいくつかを紹介する。


手元にある龍をあしらったお守り 拡大します


湯島天神(東京都文京区)の十二支そろいのお守り


小國神社(遠江国一宮)

薩摩一宮枚聞神社(指宿市開聞)


唐津神社(佐賀県唐津市)
《開運厄除け十二支お守り》



成田山深川不動堂
《開運厄除けお守り》

高千穂神社(宮崎県西臼杵郡)
《十二支守~辰~神楽焼》


金刀毘羅大鷲神社の鈴のお守り
(横浜市南区真金町)


甲斐一宮浅間神社
(山梨県笛吹市一宮町)


達磨寺の龍守り
(沖縄県那覇市首里赤田町)


ワット・ヴィスンナラート寺院(ラオスのルアンパバーン市

お守りとご利益
 お守りを身に着けて様々な願い事をするが、人それぞれその時の状況によって期待するところは異なっている。願い事としては、下記のようなものであろうか。
 健康:健康祈願・病気平癒・長寿祈願
 金運:金運上昇・財産上昇・商売繁盛・
     千客万来・出世成功・昇格・昇進
 縁結び:恋愛成就・縁結び
 出産:子授け・安産祈願
 学業:合格祈願・学業成就
 安全:家内安全・交通安全・旅行安全
 厄除け:厄除け・方位除け・開運除災・魔除け
 その他:開運招福・所願成就・五穀豊穣・大漁・家内幸福

お守りのかたち
 お守りには、神社や寺院で頒布された護符を守り袋などに入れて身につける《懸守(かけまもり)》や、子供の着物の背中に魔除けのために色のついた糸で飾り縫いをする《背守(せまもり)》などがある。

 《懸守》はお守りとして古くから用いられていた形式の一つで、平安時代には貴族の間で広まったといわれている。平安中期頃には、女性が護符を守り袋に入れて首にかけていた。鎌倉時代に入ると、懸守は武家の間にも広がった。江戸時代に入ると、腰に下げたり、懐に入れたりして持ち歩くようになった。

 現在ではご利益の種類によって、お守りを財布の中に入れたり、かばん・車の運転席などに下げたりしている。
 お守り袋にもいろいろな種類があり、同じ祈願のお守りでも、さまざまな色が用意されており、神社の由緒に関係のある形や、表面に各神社の神紋(神社の紋章)を描き、特徴を出している。

龍をあしらったお守り
<十二支根付守> 
 錦の袋のお守りとして十二支がそろっているのをよく見かける。写真には湯島天神(東京都文京区)の十二支そろいのお守りを紹介している。
 薩摩一宮枚聞神社(指宿市開聞)のお守りや深川不動堂十二支本尊根付も十二支がそろっている。
 湯島天神の辰と小國神社(遠江国一宮)のお守りの辰とは同じものであり、小判型の金物に記されている神社の名前が異なっている。

<木製>
 木彫りの守りとして、唐津神社の《開運厄除け十二支お守り》を紹介する。成田山深川不動堂の《開運厄除けお守り》には、「子のお守りは皆様の生まれた年に合わせて丹精込めて《幸》多かれと祈りながら手作りで作り上げました」との添え書きがある。これらのお守りは、カバンにぶら下げてアクセサリー兼用にしている。

<焼き物>
 高千穂神社(宮崎県西臼杵郡高千穂町)の《十二支守~辰~神楽焼》には、「神領地に出土したる神土を拝領し、神水で練り固め、一体一体手描きの上浄火で焼き上げたものであります。大神様の広大無辺な御神徳を受けることが出来ます。辰:理想・聡明・膳良・清廉」と記された添え書きがある。
 大山祇神社(愛媛県今治市大三島町)のお守りは、入れ物の箱も高千穂神社のものと同じであるが、飾り紐の部分が異なっている。

<鈴>
 鈴のお守りはかわいらしい音を発する。妙法寺(東京都杉並区)、金刀毘羅大鷲神社(横浜市南区真金町)で求めたお守りが手元にある。

<石>
 甲斐一宮浅間神社(あさまじんじゃ 山梨県笛吹市一宮町)のお守りには石材に龍が描かれている。石のお守りは重さを感じるが、一見似ているプラスチック製のものは軽い。

<金属製>
 達磨寺(沖縄県那覇市首里赤田町)の龍守りは金属製である。龍の眠るお寺と言われる岡寺(寺号は龍蓋寺 奈良県高市郡明日香村)のお守りは同じ形状をしているが、お守りの台紙に書かれている寺の名前が異なっている。
 
<ラオスの寺院で求めた龍のお守り>
 ラオスのルアンパバーン市にあるワット・ヴィスンナラート寺院の境内の土産物店で求めた龍のお守りを土産にいただいたもの。全長は5cmほどの金属製はずっしりとした重みを感じる。ルアンパバーン市はラオス北部に位置する古都、首都ビエンチャンより北へ400kmのところにある。

エピローグ
 お守り袋は、中を開いてとりだしてはいけないといわれている。神は清浄を尊ぶので、汚さないように、開いて直接さわったりしてはいけない。とはいえ、中には何が入っているか気になるところではある。中に収められている素材もさまざまだが、木・紙・金属などで作られていることが多い。神社では木札などを錦のお守り袋の中に入れたものを頒布している。

 今回、手持ちのお守りを整理していて気が付いたことがある。お守りには、神社仏閣が独自に設えたもの、量産されたお守りに、袋・台紙・箱・名札などにそれぞれの名前を記したもの、添え紐に特徴を出したものなどがあることが分かった。【生部 圭助】

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