東京駅の復元
1914年(大正3年)に完成した東京駅丸の内駅舎は戦争による爆撃で被災し、一旦復興されて今日まで親しまれてきた
2007年の修復復原工事着工から5年余の期間を経て、創建当時の姿を取り戻し
2012年10月1日にグランドオープンした
北と南にあるドームの十二支のレリーフも創建当時の姿に復元された
東京駅の保存復原にあたり最も留意されたのが
重要文化財に指定されている旧来の部分はそのままの姿で「保存」しながら
創建当時の姿へと戻すための「復原」部分が保存部分と区別できること
そしてかつ、全体として違和感のない景観に仕上げることだった
東京駅丸の内駅舎の保存復元計画において、下記の基本方針が定められた。
未来へ継承すべき貴重な歴史的建築物として、残存している建物を可能な限り保存するとともに、
創建時の姿へ復元します
【保存】
・1階と2階の既存レンガ躯体と鉄骨広場側の1・2階の既存外壁を保存します
【復元】
・広場側、線路側の3階外壁は新躯体を設置の上、化粧レンガ、花崗岩、長石で復元します
・屋根は天然スレート、銅板で創建時の姿に復元します
・ドーム3・4階の内部見上げを創建時の姿に復元します
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構造計画
丸の内駅舎を駅・ホテル・ギャラリー等として恒久的に活用するために必要かつ十分な安全性・耐震性を確保し
免震工法を採用
重要文化財建物を永続的に保存するため、免震工法にするほか
レンガ壁や床組鉄骨などの既存架構を極力活用し、新たな補強を軽減した
創建当時に建物を支えるためにびっしりと埋め込まれた松の木の杭を撤去
駅舎全体をいったん 仮り受け杭で支え、新たな構造杭でしっかりと支えている
地震への対策として、約350個の巨大な免震ゴムが1階と地下施設の間に置かれている
復元された東京駅 2012年10月に撮影
【写真を合成したので実際の見え方と若干違っています】
東京駅の全景(北口より見る)
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保存されたレンガ壁
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復元された東京駅 2012年10月に撮影
【写真を合成して作成しています】
南のドームのコンコース
1914年(大正3)12月14日、総坪数3.184坪(内駅舎2.341坪)、正面長334.5m、左右に巨大なドームをもつ駅舎が完成した
【工事中の仮囲いの展示パネルより:絵葉書をつないで作した】