謂れとかたち
千葉寺仁王門の懸魚
(千葉・千葉市中央区)

千葉寺(せんようじ)
真言宗豊山派の寺院。山号は海上山。本尊は十一面観音
坂東三十三観音霊場第29番札所である
709年(和銅2年)、この地を訪れた東国巡錫中の行基が
池田郷の池で千葉(せんよう)の青蓮に霊を感じ
十一面観音菩薩像を刻んで同地に安置したのが始まり
聖武天皇が、勅命を下して伽藍を調えさせ
「海照山歡喜院青蓮千葉寺」の勅号を与え、勅願寺となった
千葉氏の居城である亥鼻城(千葉城)に近いことから千葉氏の祈願所となった

仁王門
文政11年(1828)建立
千葉寺の中で最も古い建物


仁王門 正面


仁王門 正面の構成

拝殿の懸魚(げぎょ)
「懸魚」は神社仏閣の破風(はふ:切妻屋根の妻側の三角形の部分)に取り付けられる
「懸魚」は「掛魚」ともかかれ、「けんぎょ」と呼ばれることもある
魚を吊るしたような形に似ていたことからこの名がついた
建物の一番の敵は火災、名前に「魚」がつくことから「防火」を願って昔からつけられていた

向拝の屋根の唐破風の先端の破風の拝みの部分《兎の毛通》に龍の彫刻を見る
唐破風などにつけられた懸魚は、懸魚の範疇を越えて華美な彫刻になっている


唐破風の先端の拝みの部分《兎の毛通 》に懸魚が飾られている


懸魚


懸魚



懸魚


懸魚の龍の頭部


龍の彫刻


龍の彫刻


正面 下より見上げる


下部より斜めに見上げる

撮影:2021/04/06
210407
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