謂れとかたち
2008年にヨーロッパで出会った龍と竜
ツヴィンガー宮殿の北側のブロックの門にある彫刻(ドレスデン)

ヨーロッパにおける《竜(ドラゴン)》は、秩序を乱す邪悪、醜悪なものとして位置づけられている
キリスト教では、大天使ミカエルや聖ゲオルギウスによって退治される対象となっている
英雄に退治される「竜」の話や、竜退治をモチーフにした神話や伝説も多い
ドレスデンのツヴィンガー宮殿で出会った天使や英雄に退治される《竜》を《龍》の仲間として紹介する

ドレスデン(Dresden)
ドレスデン(Dresden)は、ドイツ連邦共和国ザクセン州の州都
エルベ川の谷間に位置している都市
人口は50万人(2006年)
第二次世界大戦では徹底した爆撃にあい市内中心部はほぼ灰燼に帰した(ドレスデン爆撃)
ソ連占領地域にあったため、戦後はドイツ民主共和国(東ドイツ)領となる
工業都市として発展し、近年では観光地としての開発も顕著
1990年の東西ドイツ統合後、歴史的建築物の再建計画が一層推進されつつある
2004年、ドレスデンを中心にしたエルベ川流域18kmが世界遺産に登録された

ツヴィンガー宮殿
ツヴィンガー宮殿は選帝候のアウグスト強王の黄金時代に作られたもの
建築家ペッペルマンと彫刻家ペルモーザが18年の歳月をかけて1728年に完成
18世紀のザクセン・バロック建築の最高傑作といわれる
1945年に第二次世界大戦で壊滅状態になり、1988-1992年にかけて修復された
現在は強王の膨大なコレクションを展示する博物館になっている

北側のブロックの門にあるレリーフ
ツヴィンガー宮殿の王冠の門をくぐって、中庭の向こうに見える建物が
ゼンパー・オパーの設計者ゼンパーが19世紀半ばにイタリア・ルネサンス様式で増築した部分
左側(東)のブロックがアルテ・マイスター(古典巨匠絵画館)、右側(西)が兵器コレクション


ツヴィンガー宮殿の入り口(北面 劇場広場より見る)

北面のレリーフ
ゼンパーは「武力・知恵・冒険・秩序」を表す4人を並べることで
人類の文明(古代世界)が完成したことを表現しようとした
「国家や秩序を打ち立てるための冒険」をテーマにしている

N-1 ヘラクレス Hercules 武力 レルネのヒュドラを退治する像 12の功業(難業)の2番
N-2 ペルセウス Perseus 知恵 切り落としたメドゥーサの首を掲げている像アンドロメダを救出
N-3 イアソン Jason 冒険 未知の海へ漕ぎ出し、遠方の地から「金の羊毛」を持ち帰る
N-4 テセウス Theseus 秩序 牛頭人身のミノタウロスを倒す像


北ブロックの4つの像(北面 劇場広場よりより見る) 奥に王冠の門が見える


位置:左の外(N-1)
ヘラクレス

位置:右の外(N-4)
テセウス
 
   
     位置:左の内(N-2)
     ペルセウス
位置:右の内(N-3)
イアソン

ツヴィンガー宮殿の屋上の回廊より中庭を通して見る 正面が劇場広場に通じる門

南面のレリーフ
ゼンパーは、北棟の南面(中庭側)は、「ルネサンス精神」や「キリスト教的勝利」をテーマにしている
この共通テーマは、単に「聖書」か「神話」かという区別ではなく
「徳が悪や困難に打ち勝つこと」にある
内省的で普遍的な英雄像が選ばれているのが南面の特徴

S-1 サムソン Samson 旧約聖書の怪力無双の英雄サムソンが、ライオンを裂く場面
S-2 ユディト Judith 敵将ホロフェルネスの首を持つユディト。弱者が強者を倒す、キリスト教的勝利の象徴
S-3 ベレロポン Bellerophon 翼を持つ馬ペガサスに乗って怪物キマイラを退治するギリシャ神話の場面
S-4 ヘラクレス Hercules ヘラクレスとネメアの獅子。ヘラクレスの12の功業の最初の場面


ツヴィンガー宮殿の屋上の回廊より南面を見る 奥に劇場広場が見える


北ブロックの門にある4つの像(南面 中庭側よりより見る)

 
位置:左の外(S-1)
サムソン
 
位置:右の外(S-4)
ヘラクレス
 
 
     位置:左の内(S-2)
    ユディト
位置:右の内(S-3)
ベレロポン
 

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