謂れかたち
称念寺の本堂の向拝の龍の彫刻

称念寺
称念寺は長南町千田に所在する浄土宗寺。山号は唐竺山、院号は西明院
寺伝では徳治2年(1307)時宗第二祖他阿真教上人の開祖とされる
慶長年間(1596-1615)に至り浄土宗に改めた

境内正面の山門、中門(向唐門)、本堂が一直線に並ぶ伽藍配置となっている
参道から進むにしたがって、山門、中門、の順に敷地が高くなっている

本堂
現代の本堂は、享保12年(1727)建立始、同15年の竣工
この時の工匠
大工が古沢村(現岬町)の古市三郎兵衛他2名
画工が狩野如川門弟戸川三竹と池田昌潮
彫物大工が奉免村(現在市川市)の甚八
塗師が長南の新左衛門

その後大きな改造はなく現在に至っている
【現地の長南教育委員会の看板より】


称念寺の山門(楼門) 
奥の階段の上にに中門(向唐門)が見える

その奥の一段高くなったところに本堂がある


称念寺の本堂 正面


本堂の向拝の龍・鳳凰・麒麟
本堂の向拝には、龍・鳳凰・麒麟の彫刻が置かれている



称念寺の本堂 向拝 中央に鳳凰と龍 左右に麒麟が配されている


称念寺の本堂 向拝 中央 上部が鳳凰 下部が龍


中央上部の鳳凰


中央下部の龍



左側の麒麟


左側の麒麟の詳細



右側の麒麟


右側の麒麟の詳細


龍三体の図欄間三間一面
720cm×250cm 3体
この龍の彫刻は、名人房州の伊八と言われた、初代武志伊八良信由の作
中央正面の昇り龍は尾が天井まで巻き上がる
四肢と火炎とのひらめきが無限の広がりを連想させる
これに対する左右の降り龍が荒波に勇躍している
初代信由の作品には彩色を施しているものが多い
この八方にらみの龍の鱗は、右を紅、中央を青、左を青で染めている
刻名の文政6年(
1823)11月は後銘である
欄間は、文化11年(
1814)6月着工、同年中に完成
約9年後に銘を刻んだ

【現地の長南教育委員会の看板より】


八方にらみの龍の鱗は、左を白、中央を青、右を紅で染めている
【写真:『文化協会だより 第2号』より】


中央正面の昇り龍は尾が天井まで巻き上がる
【写真:『文化協会だより 第2号』より】

称念寺
住所:長生郡長南町千田1370
電話:
0475−46−1615

120402/120403
龍の謂れとかたちのTOPへ