龍の謂れとかたち
銅造華原磬(どうぞうかげんけい)の龍
国宝阿修羅展(09年3月31日~4月30日)の会場に展示されていた
中国、唐の高宗(在位649-683年)から興福寺に贈られたという重宝
天平6年(734)創建の西金堂の仏前に飾られていたもの
《興福寺流記(るき)》の《金鼓(こんく)一基》にあたる
国宝 中国 唐時代 総高:96.0cm
磬(けい)とは玉または石で造った楽器
華原磬とは中国の磬石(けいせき)の名産地である華原の石で造った磬を指す
漆塗りの台の上に、前方をにらんで伏す獅子(しし)を置くその背に六角柱を立て、柱に雌と雄の各2匹の龍が尾を巻きつけ胴の空間に金鼓(こんく)をかかえて、周囲をにらみつけている
蝋(ろう)型鋳物傑作で、中国唐代の工芸技術の高水準を示すものとして注目される
治承4年(1180 or 1181)、平重衡(たいらのしげひら)による南都焼打ちのおり
炎上したお堂から救い出され、金鼓(こんく)は鎌倉時代の補作した
《金光明最勝王経》という経典には、仏が説法している時に波羅門が打った金鼓の音は
人々を悟りに導くようだったとある【興福寺のホームページ 国宝阿修羅展の出品目録などより要約】
銅造華原磬
【図説 龍とドラゴンの世界 より】
銅造華原磬
【絵葉書より】
龍の頭部と爪の詳細
【絵葉書より】
090819/120716
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