龍の謂れとかたち


謂れかたち

建仁寺の法堂の天井画 双龍図 (小泉淳作 筆)
 
建仁寺
建仁寺は臨済宗建仁寺派の大本山
鎌倉時代の建仁2年(1202年)に創建
二代将軍源頼家が寺域を寄進し、宋国百丈山を模して建立された、開山は栄西禅師
寺号の由来は、朝廷から年号を賜った。山号を東山(とうざん)と称す
寛元・康元年間の火災等で境内は荒廃、
正嘉元年(1258年)東福寺開山円爾弁円(えんにべんえん)が入寺し境内を復興。禅も盛んとなった


勅使門

法堂
この法堂は、仏殿を兼用し《拈華堂(ねんげどう)》という
拈華とは、《世尊拈華》にもとづく
明和2年(1765)の建立
梁行十間四尺五寸、桁行十二間半
正面に須弥壇が築かれ、本尊釈迦如来座像と脇侍に
迦葉・阿難尊者立像を安置している

この法堂の天井に、小泉淳作の双龍図が描かれている

法堂 正面 法堂 外観

双龍図
天井絵《双龍図》は2002年に建仁寺開創八百年を記念して描かれた
鎌倉在住の日本画家小泉淳作画伯の筆によるもの
大きさは、縦14.4m、横15.7m(畳108枚分)
麻紙とよばれる丈夫な和紙に最上の墨房といわれる《程君房(ていくんぼう)》の墨を使用
製作は帯広市の近く、中礼内村の小学校の体育館でおこなわれた
建仁寺創建以来、法堂の天井は素木(しらき)のままだった
構想から一年十ヶ月の歳月をかけて完成

龍は仏法を守護する存在として禅宗寺院の法堂の天井にしばしば描かれた
龍は《水の神》ともいわれ、修行僧に仏法の教えの雨を降らせると考えられている

通常の雲龍図は、宇宙を表す円相の中に仏法の神格である龍が一匹だけ描かれる
この双龍図は、二匹の龍が天井一杯に絡み合う躍動的な構図が始めて採用された
二匹の龍が争うのではなく、共に協力して法を守る姿が描かれている

写真は2008年11月に撮影したもの
一眼レフデジカメ(18mmのレンズ)では天井の全面を収めることができない
また、天井絵の中心の真下に行くこともできない


双龍図を斜めのアングルで


双龍


右の龍の頭部


左の龍の頭部と龍玉
 
090107
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