龍の謂れとかたち
成田山新勝寺 清瀧権現堂・地主妙見宮の龍の彫刻

成田山新勝寺
成田山新勝寺は、日本の千葉県成田市にある真言宗智山派の寺院
同派の大本山のひとつ
山号を成田山、寺号を新勝寺というが、山号を省略せずに呼ぶのが通常
天慶三年(940)真言僧寛朝大僧正によって開山された
寛朝大僧正は朱雀天皇より平将門の乱平定の密勅を受け
弘法大師が敬刻開眼した不動尊像を奉持し難波津の港(現大阪府)より海路を下総に向かう
尾垂(おだれ)ヶ浜(千葉県匝嵯郡光町)に上陸し陸路を成田の地に至る
乱平定のため平和祈願の護摩を奉修した

大任を果たした大僧正は再びご尊像を奉じて都へ帰ろうとした
ところが尊像を運ぶ輿が磐石のごとく微動だにしない
《我が願いは尽くる事なし、永くこの地に留まりて無辺の衆生を利益せん》との霊告が響いた
寛朝大僧正は尊像を堂宇に祀って都へ帰って朝廷に報告
天皇は深く感動し、諸堂伽藍を整え《成田山新勝寺》の寺号を授与
東国鎮護の霊場として開山した
本尊は不動明王で、当寺は不動明王信仰の一大中心地である

清瀧権現堂・地主妙見宮
きよたきごんげんどう
享保17年(1732)に建立された
令和5年(2023)に修復工事が完了し、向拝の龍の彫刻も極彩色に蘇った

弘法大師ゆかりの清瀧権現と、古くからの地主神である妙見菩薩を祀る
成田山新勝寺の鎮守として祀られ、寺院の守護と地域の繁栄を願う重要な存在となっている
成田市の指定文化財となっている
手前が拝殿
参拝者はこの場所で礼拝を行う
奥にあるのが本殿
清瀧権現と地主妙見菩薩をお祀っている(神殿形式の建物)

清瀧権現
弘法大師(空海)が唐の長安の青龍寺から勧請した密教の守護神
もとは「青龍」といい、インド由来の「善女龍王」であるとも伝えられている
「権現」とは「仏が人々を救うために仮の姿で現れた」という意味
清瀧権現は、観音菩薩(如意輪観音・准胝観音)の化身とも言われている
弘法大師とともに日本に渡った「青龍」は、都の山中に鎮座し、密教の教えを守護しようとした
その際「青龍」の字にさんずいを加え「清瀧」と改名したと伝えられている

妙見菩薩
妙見菩薩は仏教の天部の一つとして日本に伝来し
平将門が信仰していたことで知られている
妙見菩薩の信仰は、将門の父・平良文からその子孫である千葉氏へと受け継がれ
源頼朝や日蓮も信仰していたとされている


清瀧権現堂・地主妙見宮


清瀧権現堂・地主妙見宮 社殿


本殿の向拝


向拝の水引虹梁の上にある金龍



波模様に龍


波模様に龍の詳細

【撮影 2024年12月】
250518

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