謂れとかたち
小野神社の懸魚と向拝の龍の彫刻

小野神社
古来小野路宿の鎮守である。小野路という地名は多摩郡小野郷への道筋という意味
小野路は鎌倉未知の宿駅として鎌倉と武蔵の国府の置かれた府中に通じる要衝の地にある
宿の入口にある小野神社は小野篁(おのたかむら)の七代の孫武蔵野守小野孝泰が
天禄年間 (970~973)に小野篁の霊をここに祀ったことに由来
式内小野明神は多摩市一宮にある武蔵一宮と称した小野神社と思われる
現在の社殿は昭和3年4月3日の再建である

小野篁は平安時代の前期の人で和漢に優れた学者
学問の神様であり、菅原道真の先輩にあたる
篁の孫の小野道風は平安時代を代表する書家で、三蹟として有名

小山田氏の小野路城があった城山には小町井戸と伝えられる遺跡もあり、小野氏との関連が深い


小野神社 アプローチ


小野神社 アプローチ石段


小野神社 正面


小野神社 向拝の龍 2体を見る


小野神社 向拝の龍 2体を見る

懸魚(げぎょ)
「懸魚」は神社仏閣の破風(はふ:切妻屋根の妻側の三角形の部分)に取り付けられる
「懸魚」は「掛魚」ともかかれ、「けんぎょ」と呼ばれることもある
魚を吊るしたような形に似ていたことからこの名がついた

建物の一番の敵は火災、名前に「魚」がつくことから「防火」を願って昔からつけられていた
向拝の屋根の唐破風の先端の破風の拝みの部分《兎の毛通》に龍の彫刻を見る

向拝の屋根にも多く見られ、曲線状の装飾的につくられた屋根を呼ぶ
唐破風の先端の破風の拝みの部分《兎の毛通 (唐破風懸魚)》のところに龍の彫刻を多く見る
唐破風などにつけられた懸魚は、懸魚の範疇を越えて華美な彫刻になっている


向拝の龍(1)


向拝の龍(1) 頭部の詳細


向拝の龍の彫刻


向拝の龍(1) 


向拝の龍(2) 頭部の詳細



小町井戸 説明版


小町井戸

小野神社所在地:町田市小野路町
110404/200108/210325
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