龍の謂れとかたち


謂れかたち

竜首水瓶(東京国立博物館)

7世紀 白鳳または唐時代
銅製鍍金・鍍銀
高49.9 胴径19.9
N243
法隆寺献納宝物  国宝
【2011/05/26に撮影 法隆寺宝物館2階第5室】

竜首水瓶(りゅうしゅすいびょう)
竜をかたどる蓋と把手を付けた勇壮な姿の水瓶
胴には四頭のペガサス(天馬)を線刻で表す
胡瓶とも称される器形に,東洋と西洋にそれぞれ起源をもつ竜とペガサスの意匠がよく調和している
器胎の金銀の色彩対比とともに、緑色ガラス製の竜眼が光彩を放つ
【東京国立博物館のホームページの説明より】


龍首水瓶  全体


龍首水瓶  頭部(1) 側面


龍首水瓶  頭部(2)



龍首水瓶  頭部(3)


龍首水瓶  頭部(4)  正面

 法隆寺に伝わった水差し。明治11年(1878)、法隆寺から皇室に献納された「法隆寺献納宝物」(現在は国有、東京国立博物館に収蔵)の一つ。このような長い首と下にふくらむ胴に把手を取り付けた器形は、ササン朝ペルシャに源流をもち、一般に「胡瓶(こへい)」と呼ばれる。かつて銀製と考えられ、「銀龍首胡瓶(ぎんりゅうしゅこへい)」として国宝に指定されたが、鋳造した銅器に金、銀をメッキしたものとわかった。
 いかめしい顔の龍頭が注口、細い龍身が把手となり、蝶番(ちょうつがい)で把手に留めた龍の上顎が蓋となっている。角を押すと蓋が開き、片手でも注ぐことができる。龍の眼には薄緑色のガラスがはめてある。全体に薄手に作られた胴部には、向かい合う2組の有翼の天馬(ペガサス)4頭を毛彫(細い線刻)し、金メッキで浮き立たせている。注口の部分、胴、台脚は別々に鋳られ、首と胴は轆轤(ろくろ)仕上げされている。
 ペルシャの天馬、中国の龍という東西の伝統的なモチーフを組み合わせ、器形も文様も力強い躍動感にあふれた優品である。唐時代中国の作と考えられてきたが、龍の造形や毛彫の手法などから、7世紀の日本製とする見方が強くなっている。
【http://www.emuseum.jp/ より】

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