龍の謂れとかたち
龍の謂れとかたち
ミヒャエル・エンデのはてしない物語
『はてしない物語 1979年』はミヒャエル・エンデ (1929- 1995年)の『モモ』に続く作品
前半ではバスチアン(Bastian)が本の世界の「ファンタージエン」の崩壊を救う
後半ではバスチアン自身がファンタージエン国で本当の自分を探す物語
物語の中には、中心的役割を果たす、《幸いの竜 フッフール》と《勇士ヒンレックの竜 スメーグ》が登場する
フッフールは《善龍》、スメーグは《悪竜》として描かれている
【ここでは龍と竜を使い分けている】
幸いの竜(フッフール)
《幸いの竜》は大気とと熱とあふれんばかりの歓びの子
並外れて大きな体にもかかわらず夏空に浮かぶ雲のように軽やかなので、飛翔のための翼はいらなかった
水の中のさかなのように大空を泳ぐ様は、地上から見ているとゆっくり通り過ぎる稲妻のようだった
スメーグ
《スメーグ》の翅はねばねばした幕で出来ていて、広げると32メートル
とばないときは 巨大なカンガルーのように立っている
体はかさぶただらけのねずみに似ている
しっぽはさそりのしっぽで、毒針にちょっと触れただけで絶体絶命死んでしまう
後足はばったの足。前足は赤ん坊の手に似ているが、恐ろしい力が秘められている
首は長くてかたつむりの触角のように出したり引っ込めたりできる
3つの頭があり、ひとつは大きくて、わにの頭に似ていて、口から氷の火を吹くことが出来る
『ハリーポッター』での《ハンガリー・ホーンテール》と同じように恐ろしい竜が表現されている
岩波書店発行の日本語版でも、ハードカバーでの装丁は赤がね色
蛇がお互いの尻尾をくわえたアウリンの模様がある
文字も現実世界の部分はあかがね色、ファンタージエンの部分は緑色に刷り分けられている
【日本語版訳:上田真而子・佐藤真理子】
【アウリン:宝のメダル・おまもり・おひかり 幼ごころの君のしるし】
ハードカバーの装丁 本の外箱
ゲオルグの竜退治との共通性
「勇士ヒンレックの竜」のお話は、「ゲオルグの竜退治」の話とよく似ている
スメーグという名の竜にオグラマール姫がさらわれる
石化した森の中にある鉛のラーガー城の3重の堀を超え
スメーグの急所である鉛の斧を見つけて打ち負かし、姫を助ける
姫は結婚を望むが、ヒンレックはその気はなくなっていた・・・・
エンデは、「ゲオルグの竜退治」の話を参考にして、お話を組み立てていると思う
【この項は私見】
【限定版】
071222
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