龍の謂れとかたち


謂れかたち
「中国名陶百選展」図録の表紙 白地黒掻落龍紋長頚瓶(龍紋の展開図)

昭和35年(1960年)4月、日本橋高島屋で開かれた
「中国明陶百選展」(主催:日本経済新聞社)の図録の表紙。
この展覧会には、日本はもとより広く海外からも厳選された中国陶磁の至宝が展示された。

白地黒掻落龍紋長頚瓶について
白地黒掻落しの作品としてはほかに類のない大型(高さ56.8cm)の瓶である。
まさに天に駆け昇らんとするダイナミックな龍の姿と大きな器と相まって雄大な雰囲気を醸し出している。
白鶴美術館所蔵の「白地黒掻落龍文瓶」(高さ40.8cm)の龍とは体型や顔の表情はかなり異なるが、
爪や鱗、体毛や細部の表現は同一作者と思われるほど共通性がある。
(「宋磁」の図録のコメントを参考に一部追加)

【図録の写真は井出昭一氏の提供】

 
表紙                                      頭部を拡大した


表紙と裏表紙の見開き(龍紋の展開)


【井出昭一氏の言葉】
別に美術を専門に勉強したわけではありませんが、学生時代から美術館、展覧会歩きが好きでした。
見歩いた美術館・展覧会はかなりの回数に達し、もし転居していたら廃棄されるべき運命の
展覧会の図録、案内チラシ、新聞・雑誌のスクラップなどがわが家に累積してしまいました。
展覧会・美術館の図録は多分3000冊を超えているでしょう。
自分の足で歩いて集めたものだけに、いずれも思い出があり懐かしいものばかりで、
いまではとても捨てる気にはなりません。


この中で最も古い図録は、昭和35年(1960年)4月、日本橋高島屋で開かれた
「中国明陶百選展」(主催:日本経済新聞社)です。
図録のほかに当時のスクラップも残っています。これが私の展覧会遍歴の原点です。
この展覧会には、日本はもとより広く海外からも厳選された中国陶磁の至宝が展示されました。
40年以上も前のことですが、あまりにも印象が強烈だったのでしょうか、
今でも脳裏に焼き着いている名品が沢山あります。

限定版

061212/070101/140806
龍の謂れとかたちのTOPへ