謂れとかたち
天井の龍 西叶神社の向拝

西叶神社
養和元年(1181)神護寺文覚上人が京都、石清水八幡宮より勧請し創建した
祭神は、誉田別尊(応神天皇)・比売大神・息長帯比売命(神功皇后)
併せて八幡大神と称する

源氏ーとりわけ源頼義・義家は殊に八幡の神を敬い
後に八幡の神は源氏の氏神となった

文覚上人が源頼朝の為に源氏再興を発願し、治承年間(1177〜1180)上総国(千葉)鹿野山に参篭
石清水八幡の神を、源氏再興の為に祈念し、本願成就を願った

養和元年(1181)大願成就の前兆を得て社殿建立の勝地を求めた
鹿野山に相対する浦賀西岸の現在地に石清水八幡宮の神を祭祀する社宇を建立した
文治2年(1186)源氏再興の大願が叶ったとことから、叶大明神と称するようになった

社殿
現在の社殿は、天保8年(1837)2月1日焼失し、天保13年に再建されたもの
本殿、弊殿、拝殿は一連の権現造りである
本殿、弊殿は総檜造りで、以前にも勝る社殿の建立された
【2024年9月 撮影】


一の鳥居


二の鳥居をくぐって石段を昇り境内に至る


社殿の正面


社殿の向拝

向拝の天井の龍の彫刻群
社殿が天保13年(1842)に再建された時に、社殿内外に見事な彫刻装飾が施された
向拝の格子天井に28態の龍の彫刻がある
幕末から明治にかけての安房を代表する木彫師・後藤利兵衛義光(南房総市千倉町出身)の作品
この叶神社の彫刻は、彼の生涯を通しての最高作云われ、彼の出世作となった

海を挟んだ対岸にある鶴谷八幡宮の拝殿の向拝の格天井にも後藤利兵衛義光の作品がある
「百態の龍」は、中央の鏡天井の龍を中心に周囲54態の様々な龍の姿が組み込まれている
完成は慶応2年(1866)である


向拝

 
向拝の天井 横方向より見る


向拝の天井を見上げる


28態の龍


中心部の6態

西叶神社
住所:神奈川県横須賀市西浦賀1-1-13
240929

鶴谷八幡宮の拝殿の「百態の龍」
龍の謂れとかたちのTOPへ