謂れかたち
井頭龍神(いのがみりゅうじん) 札幌

井頭龍神
「井頭龍神」という社は偕楽園緑地の一角に建っている
偕楽園緑地は豊平川の伏流水が湧き出てできたメム(*)という湧水池の跡地
明治天皇が行幸された際に手を洗われたことから、「御膳水」として知られるようになった
いつしか付近住民によって水神信仰が生まれた
*「メム」:アイヌ語で「泉、湧き水」を意味する湧水池「ヌプ・サム・メム (Nup-sam-mem)」

水神信仰は特に水商売の女性の間に浸透していった
奇特な人たちが水商売の人たちに呼び掛けて
昭和25年(1950)ごろには御膳水の近くに小さいお宮を建てた
草の根から生まれた水神信仰は「龍神さん」という具象を得た

昭和28年(1953)に建てられたと伝えられるものがここにあった
現在の社は平成13(2001)に建て替えられたもの
龍神さんのお祭りは毎年8月19日に行われている

水商売の女性たちが興したこの龍神信仰
つい最近までススキノの女性たちも氏子中に加わり祭りを盛り上げた
【『新・北区エピソード史(平成15年3月発行)』より要約】

偕楽園跡
明治4年(1871)開拓使によりこのあたりに公園が設けられた
「民と偕(とも)に楽しむ」という意味から「偕楽園」と名づけられた
日本で最初に計画的に造成された公園と言われる
(中略)
明治13年(1880)に貴賓接待所として清華亭(市有形文化財)が建てられた
かつて園内を流れていたサクシュコトニ川の池があったところ
(さっぽろ・ふるさと文化百選選定)
【現地の案内板より】



偕楽園緑地  奥の正面に井頭龍神を見る


偕楽園緑地  奥に井頭龍神を見る


井頭龍神

井頭龍神  右手前に石碑がある
【平成13年(2001)に建て替えられたもの】



井頭龍神の石碑

石碑の裏面


一代前の日付
昭和28年8月19日が
記されている



神社のお祭りに、神主ではなくけさを懸けたお坊さんの姿が見える
昭和48年(1973)撮影
【写真の掲載:札幌市北区役所市民部総務企画課の了承を得ています】



井頭龍神
住所:札幌市北区北6−7条 西7丁目

180415/180418
札幌で出会った龍と仲間たち
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