龍の謂れとかたち


謂れかたち

ナオミ・ノヴィック著のテメレア戦記に登場するドラゴン

『テメレア戦記』は2006年3月にニューヨークのデルレイ社より刊行された
著者:ナオミ・ノヴィック(1973年ニューヨーク生まれのポーランド2世)
訳者:那波かおり
第1話の発行の1ヶ月後に第2話、さらに1ヶ月後に第3話、2007年9月に第4話を発行

1話 気高き王家の翼 His Majesty's Dragon
2話 翡翠の王座 Throne of Jade
3話 黒粉戦争 Black Powder War
4話 象牙の王国 Empire of Ivory

小説のカテゴライズ
時は19世紀初頭のナポレオン戦争の頃
帆船による戦争の時代に、空中戦にはドラゴンが使われていた との設定
史実に基づいた、ナポレオンとネルソン提督との海戦の時代に空軍としてドラゴンが参戦
登場する地名及び人名等には実在のものが多数使用されている
ファンタジー小説であると同時に、歴史小説にもカテゴライズされる 

物語
ドラゴンの卵を輸送していたフランスの軍艦を英国の軍艦リライアント号が拿捕
洋上で孵化し誕生したドラゴンは《テメレア》と名づけられる
名前は19世紀当時に実在したイギリスの戦艦、テメレア号に由来
艦長のローレンスはドラゴンの孵化に立ち会ったことをきっかけに
ドラゴンと共に海軍を離れて慣習の全く異なった空軍へ編入
ローレンスと《テメレア》は、英空軍のドラゴン戦隊の猛特訓を受ける
トラファルガー沖の海戦の後のナポレオンの奇襲へ参戦し大活躍する
ハードカバーの装丁  龍の頭部の拡大

小説に登場するドラゴン
多くの種は、鱗の表皮に包まれた四肢と尾に加えて翼を持つ
典型的な西洋のドラゴンの容姿をしている
ドラゴンは種族差があり、優れたものは知性が高く、人間よりも賢い
人間と共存するドラゴンは言葉を理解する
大型種ほど長寿の傾向が強い 寿命は200年とも
いずれも雌雄の区分を持ち、卵を産んで繁殖する

テメレアはセレスチャル種(天の使い)
《テメレア》の正体は物語の後半で明かされる
中国の皇帝がナポレオンが皇帝の称号をうけてすぐ、希少種の卵をお祝いの品として贈ったもの
中国では《インペリアル種》も希少であるが、《テメレア》は《セレスチャル種(天の使い)》
皇族のみが所有する、最も希少種のドラゴン 世界でも数頭しか存在しない
皇帝か皇帝にごく近い血族しか所有できるドラゴン
《黄皇帝》国家存亡のときにしか戦いに参加しない
 
《セレスチャル(天の使い)》の具体的なイメージ
卵から生まれたとき:鼻先から尻尾まで漆黒の体 翼のふちにだけグレーと輝くブルーの楕円の斑紋が散っている
5本のかぎ爪を持つ
翼を構成する骨の数:6本
頸の回りに巻きひげが出来る
顔を取り囲むしなやかな角状の突起の間に繊細なレースのような冠翼を形成
すさまじい咆哮:音というよりエネルギーの塊で絶大な破壊力を持つ

大きさ
明快な記述はない
孵化してから6週間で9トン、成長したらその倍になるだろう という記述がある
中型のイエロー・リーパー(12〜15トン 体長50フィート 翼幅80フィート)を参考に想像する
戦闘
重戦闘用:頑丈に鋲打ちされた重い皮製のハーネス 鎖かたびらを装着

日本のドラゴンについての記述
毒噴く、竜巻や豪雨を起こす との記述がある

080703
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