龍の謂れとかたち
方格規矩四神鏡
古墳時代の鏡
姿を写す面が表、各種の文様と中央に紐を通す鈕(ちゅう)がある面が裏
名称は文様の違いでつけられている
方格規矩四神鏡について
四神像を細い線で表出し、方格規矩文をもつことを特徴とする
宇宙の秩序を示す、鈕(ちゅう)を巡る方形区画(方格文)とT・L・V形の物差し(規矩文)の間に
四方を守護する霊獣の四神像《青龍・白虎・朱雀・玄武》のほか、霊芝を青龍に与える神仙や仙鹿などが表されている
裏面の中央の方格(方形の紋様)と、規矩(きく=コンパスと定規)に見立てたT・L・V字形の幾何学紋を主紋とする鏡
中央の方格に十二支の文字を時計回りに配し、その周囲に四神を配している
鈕(ちゅう)
鈕は、中央にある穴の開いた突起部で、帯紐を通して持つための装置
方格と円形の周縁
鏡は全体として「天円地方」とされ、「天は円く、大地は四角」という
立体的で壮大な天地の構造として、古代中国の世界観を反映している
方格は、中央の紐(ちゅう)を囲む方形
正方形の区画(方格)は大地をあらわし、周縁(鏡背面の縁の厚みのある部分)は天空を示している
方格に十二支の文字が時計回りに配されている
規矩
規矩とは、方格の周囲に配置されたT・L・V形の文様をコンパスや物差しに見立てたもの
方格の四辺の中央から外へ突出したT字形は天を支える柱と梁
周縁から内側へ突出した逆L字形とV字形は天と地をつなぎとめる装置をあらわしている
四神の文様
方格と円形の周縁の間に、細い線で表出した青龍、白虎、朱雀、玄武の「四神」の動物紋がある
ここには、四方を守護する霊獣の四神像のほか、羽人と呼ばれる羽の生えた仙人等を配している
四神とよばれるこれらの霊獣は、天の東西南北を代表する星座を表現している
銘文(めいぶん)
方格規矩四神鏡の、周縁の内側などに鋳出された銘文にも、鏡の所有者に約束された、さまざまなことが記されている
ここに紹介している方格規矩四神鏡に鋳出された銘文には、鏡に表した仙人の長寿ぶりがうたわれている
方格規矩四神鏡
中国製 青龍3(236)年在銘
出土不詳 個人蔵
古墳時代・3〜4世紀
青龍三(236)年 顔氏作鏡成文章 左龍右虎辟不詳(祥) 朱爵玄武順陰陽 八子九孫治中央 壽如金石宜候王
同範鏡:京都府大田南5号墳出土鏡・大阪府安満宮山古墳出土鏡
この鏡には、銘帯に三国時代(AD.220〜280)・魏の元号を含む、39字からなる銘文がある
方格規矩四神鏡
方格規矩四神鏡 中心部
方格規矩四神鏡 青龍
十二支
鏡は全体として「天円地方」とされ、「天は円く、大地は四角」という
立体的で壮大な天地の構造として、古代中国の世界観を反映している
方格は、中央の紐(ちゅう)を囲む方形
正方形の区画(方格)は大地をあらわし、周縁(鏡背面の縁の厚みのある部分)は天空を示している
方格に十二支の文字が時計回りに配されている
中国では十二支を「子」、「丑」と漢字で表してきた
隋時代になり鼠や牛などの動物で表象するようになった
十二支鏡は災いを払うものと信じられ、隋時代に広く流行した
中心部 十二支
十二支の文字 個人蔵
十二支の文字 横河氏寄贈(TJー645)
180209/230217
180206 撮影
方格規矩四神鏡(横河氏寄贈)
100110 撮影へ
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