龍の謂れとかたち


謂れかたち

絵本「りゅうのめのなみだ」

絵本の原作は、大正14年(1925年)の作で、
「なみだの川」と言う題で「初等教育研究」に発表になり、後日現在の題に変えられた。
作者の浜田廣介は
「本当の愛の心に根ざしてはじめて勇ましい行動がとられること、
そして、それが行われると、どんな者でも感動をうけるであろうということを作品のねらいとしました」
と言っている。
 
絵本では、「文章をつづりなおして、もとの長い作品を適度の量にちぢめました」
と作者は書いているが、
「ひろすけ幼年童話文学全集」では、
大きな黒い船は蒸気機関であることを暗示している。


表紙(サイズ 268mm×210mm)

物語
南のほうのある国の山の中に龍が棲んでいるといわれていた
龍は凶暴なるがゆえに、人に嫌われ憎しみを受けてきた
龍に同情した少年が山の谷間に龍をたずねて行き、誕生日に町へ招待したいと言う
りゅうは少年の深い哀れみに心をうたれ、目から涙を流す
龍の涙があふれて川になり、龍は少年を背中に乗せて、川を泳いで町へ向かう
龍の体は黒い大きな船となり、少年は船に乗って町へ戻ってくる
 
町に近づくと龍の体は黒い大きな船になる
作者は「汽船」と言っている


浜田廣介(はまだひろすけ)・文
1893年山形県に生まれ。大学卒業し出版社勤務後文筆生活に入る。
「椋鳥の夢」、「ひろすけ童話絵本」などが代表作。
1973年に死去
1989年故郷の高畠町に浜田広介記念館が開設
 
いわさきちひろ・絵
画家。1918年福井県生まれ。絵本「ことりのくるひ」、「戦火のなかの子どもたち」など
童画の世界で多くの作品を生む。
1974年死去。

メルマガIDNの編集後記(第122号)に「りゅうのめのなみだ」について書いています
ひろすけ幼年童話文学全集「りゅうの目のなみだ」こちら

【限定版】

070420/070501
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